vol2. ROOTS

ジュエリーを始めるきっかけとなった幼少期の記憶を辿ると

お洒落が好きだった祖母の存在が思い出されます。

大正時代にハルピンで生まれ満州で育ち、

東京の女子大学でのびのびと教育を受けた祖母は、

レースや帽子、ブローチ、ジュエリーをいつも素敵に着こなしていて、

幼な心にもハッとするような美しく個性ある雰囲気を持つ女性でした。

6人の子供を授かり、子育てに愛情の全てを注ぎ、海外で戦争を経験し、その時代を生きた多くの人々に違わず、激動の人生を送った祖母でしたが、

実は物を作ったりすることが好きで、いくつものデザイン画スケッチを残していることを他界してから知りました。

周りの友人知人に頼まれて洋服を作っていた時期もあったようです。

 

私がジュエリーのデザインに想いを馳せる時、

海外で触れた美術館の骨董装飾や旅の記憶とともに、

祖母が纏っていた空気感もたびたび思い出します。